Minecraft の「OG アカウント」の取引方法

どこで行われているのか?

現在、最も取引が活発に行われているサイトは OGUsers.com と呼ばれるフォーラムだ。 2017 年に登場した、比較的新しいフォーラムである。

OG アカウント取引の最大手であるが、サイトのセキュリティが脆弱なため、競合サイトによって頻繁にデータベースが流出されており、興味本位での登録は避けたい。 登録の際は強固でユニークなパスワードと、可能であればユニークなメールアドレスを使用するべきだろう。

日本国内ではあまり活発ではないが、主に GeXs (@PoL_GeXs) 氏とあいと (@not_noctyboy)氏が運営している Discord サーバー 上で取引が行われている様子。英語が全くできないという人は、ここを利用してみるのも手だろう。

今回は、OGUsers 上での取引について解説する。

取引されるアカウントの種類

同サイトでは、アカウントのアクセス権を完全に所有しているアカウント、いわゆる MFA (Mail Full Access) や UFA (Unmigrated Full Access) のみ取引されている。 紐付いているメールアドレスへのアクセスがない SFA (Semi Full Access) や NFA (Non Full Access) などは取引されない。

余談だが、Microsoft アカウントへの移行が終了した時点で SFA や NFA へのログインはできなくなるため、ユーザー名のスワップなどの特殊な目的がない限り、購入は推奨されない。

OG Name

Original Name, 略して "OG Name" もしくは "OG" と呼ばれるこのアカウントは、主に、辞書に載っているような一般的な英単語のユーザー名を持つアカウントを指す。(e.g. Apple, Good, See) また、現在では取得できない1文字・2文字アカウントもこれに含まれる。

Semi OG

英単語のうち、主に動詞の過去形や名詞の複数形などの変形した単語のユーザー名を持つアカウントを指す。(e.g. Enchants, Pointing, Disinfection, Uncreated) Darkness などのいわゆる High Tier Semi は Low Tier OG よりもさらに価値が高くなる。

Cape

主に Minecon マントなどの公式で実装されたマントを持っているアカウントを指す。 これに Optifine マントや Lunar Client のマントは含まれない。 多くの場合 Minecon 2015 < 2013 < 2016 < 2012 < 2011 の順に価値が高い。 マント付きの OG アカウントは Caped OG と呼ばれている。

Stat

主に Hypixel などの大規模なマルチプレイサーバーにおいて、高レベルや高K/D、ランキング上位などの良い戦績を持つアカウントを指す。

Invalid

ユーザー名にハイフン (-) やピリオド (.) など、通常使用できない特殊記号が含まれたアカウントを指す。

アカウントの相場

アカウントの価値はピンからキリまで様々だが、概ね以下の通りである。(2021年6月現在) ただし、後述する要素や買い手の価値観、売り手の販売期間等によって大きく変動するため、あくまで参考程度に。

種類 相場
OG $300~5000
Semi $20~300
2011 Cape $600~
2012 Cape $500~
2013 Cape $300~
2015 Cape $250~
2016 Cape $400~
Caped OG $2000~
Stat $50~1000

後述する Middleman (仲介人) の取引履歴を見てみるとわかりやすい。

また、以下のような様々な要素によってアカウントの価値は大きく変動する。

アカウントの前所有者が詐欺師であったり、アカウントが盗難されたものである場合、アカウントの所有権を他人に取られてしまう (Pull back) ことがあるため、サポートに連絡してアカウントの所有権を取り戻すために使われる「購入の証明」となる要素の有無も重要である。

  • Name Changes / Name History (名前変更回数 / 履歴)
    • アカウントの見た目に影響する。少なければ少ないほどよいとされている。
  • TID (Transaction ID)
    • ゲーム購入時に登録されていたメールアドレスに送信されるレシート。ギフトカードで購入されたアカウントの場合は、ギフトカードのコードを指す。
  • OGE (Original Email)
    • アカウント作成時に最初に登録されていたメールアドレス。
  • OGI (Original Info)
    • アカウント作成時の場所や購入者の生年月日などの情報。特に、OGE に関する情報は OGE Knowledge と呼ばれる。
  • Owner History (所有者の履歴)
    • 少なければ少ないほど、所有権を奪われるリスクが低い。アカウント作成時の最初の所有者は OGO (OG Owner) と呼ばれる。
  • 現在のメールアドレスへのアクセス権
    • あったほうがリスクが低い。個人的なメールアドレスに紐付いていた場合、渡してもらうのが難しいことがある。その場合、取引実績の多いユーザーが持ち主だとリスクが低い。
  • 誰が販売しているか?
    • 取引実績の多いユーザーから購入する場合、リスクが多少低くなるため価格が若干高く設定されている場合がある。
  • どれだけの期間所有されているか?
    • 所有者がアカウントを所有している期間が長ければ長いほど、その前の所有者から所有権を奪われるリスクが低い。
  • Unmigrated (未移行アカウント)
    • Mojang アカウントに移行していないアカウント。Mojang アカウントに移行すると所有権を奪われるリスクが大幅に下がるため、価値が高い。UFA (Unmigrated Full Access) とも呼ばれる。

その他用語集

  • Prename
    • 名前変更履歴がないこと、もしくは変更履歴がなく一度も他のアカウントに名前を使われたことがないこと。
  • Tier
    • Tier は日本語にすると「位」や「階級」を表す。一概に OG といっても名前によって価値が大きく異なるため、High Tier OG や Low Tier OG のようにタイトルをつける場合がある。例えば、ユーザー名が Killed なら High Tier Semi で、Bloodshedding なら Low Tier Semi として扱われる。
  • Final
    • 買ったら売らずに使い続ける、最後のアカウントにふさわしいもの。日本語に意訳するなら「ゴール」だろうか。
  • BIN
    • Buy It Now の略。即決価格。
  • C/O
    • Current Offer の略。現在価格。
  • Firm
    • "BIN: 300 (firm)" のように使われる。値下げ交渉不可。対義語として、Negotiable (交渉可) が使われる。
  • Middleman
    • 取引の仲介人を指す。"MM" と略されることが多い。

書き込みの例

上記を踏まえて、フォーラムの書き込み例を読んでみよう。

これらの情報を日本語に訳すと、以下のようになる。

IGN: *****s
ヒント: 7

[+] 短いオーナー履歴、OGO → わたし
[+] TID/OGE あり
[+] 現在は新規に作成した ProtonMail に紐付いています
[+] 1 年以上所有
[+] 既知の BAN なし
[-] 2 回名前変更済

現在価格: 200
即決価格: 400 (値下げ交渉可)

BTC 払いのみ受け付けております
先払いもしくは仲介人を通した取引になります (手数料はそちらでご負担ください)

サイト上の PM 及び Discord (user#0000) にてご連絡ください

取引完了後はアカウントに対しての責任を負いかねます

はじめに、IGN の一部が伏せ字になっていることに気がつくだろう。 これは、Mojang によるアカウントのロックを回避するためのおまじないである。

Hint が「7」となっており、伏せ字の部分が5文字の単語であることから、IGNは Sevens であると予想がつく。 念の為、取引の際は売り手に確認を取ろう。

次に "Currently on a fresh proton" とは、新規に作成した protonmail.com のメールアドレスに登録されていることを指す。 アカウントを購入した際は、個人で普段使用しているメールアドレスではなく、基本的に新規の ProtonMail にメールアドレスを変更する場合が多い。 販売する際はメールアドレスごと引き渡したほうが取引がスムーズに進み、トラブルも少ないからだ。Gmail はメールアドレスごと引き渡しにくい上、前のオーナーが容易にアクセス権を取り戻せるため、好ましくない。

最後の "I am not responsible once the account left my hand" は、買い手がパスワードを忘れたり、ユーザー名のスワップに失敗したりするなど、買い手側に責任がある場合の話である。売り手本人が詐欺を働いた場合などは当然売り手側に責任があり、OGUsers 上で紛争を起こすことができるが、ほとんどの場合返金されずに売り手が BAN されて終わるので注意されたい。

さて、この売り手が信用に値するかどうか、どのように判断すればよいのか?

プロフィールには様々な情報が書かれているが、その中でも最も重要視すべきなのは Vouch の数 (取引回数) である。 お金さえ払えば購入できるサイト内のランクや、取引をせずとも付与できる Reputation (評判) とは異なり、Vouch は取引を行ったユーザーに対してのみ付与することができるからだ。

これは筆者の主観だが、概ね15以上の Vouch があるユーザーは信用できると感じる。 ただし、どんなユーザーに対しても、高額な取引では必ず Middleman (仲介人) をつけるべきだ。

ちなみに Reputation は、マイナスにさえなっていなければあまり気にする必要はない。

取引の大まかな流れ

登場人物は売り手と買い手、そして MM (仲介人) の3人である。 取引を行う場所は Discord とする。

  1. 買い手が売り手の Discord に連絡を取る。このとき、買い手は必ず OGUsers 上の PM で Discord アカウントが本人のものかどうか確認を取る。(Confirm on-site)
  2. 買い手が売り手のアカウントに$300で入札する。
  3. 売り手は$300のオファーに満足し、取引を決める。
  4. 売り手と買い手はどの MM をつけるか相談し、決定する。
  5. 3人は同じ Discord サーバー、もしくは DM グループに参加する。このときも同様に、買い手と売り手は、MM の Discord アカウントが本人のものかどうか確認する。
  6. 売り手は MM にアカウントを渡す。
  7. MM はアカウントのメールアドレスを新規の Protonmail に変更し、元のメールアドレスから Dispute Link を削除する。そして、パスワードや秘密の質問を変更する(もしかしたら、他にも作業があるかもしれない)。
  8. 買い手は売り手のアドレスに Bitcoin を送金する。
  9. 送金が確認されたら、MM は買い手にアカウントを渡す。

以上となる。 基本的に、MM が保護したアカウントの情報は変更しなくてもよいが、気になるようであればしてもよい。

一般的な詐欺の手法

MM なしの先払い

売り手が入金を確認したあと、アカウントを渡さない。

対策

MM を使う。

偽 Discord アカウント

三者が、売り手を装った Discord アカウントで連絡を取り、詐欺を行う。 Discrim (#以降の番号)が異なったり、特殊文字を使った名前で偽装する。

対策

Discord アカウントが本人のものであるか、OGUsers の PM 上で確認を取る。(Confirm on-site) サイト上での確認を拒否するユーザーは、十中八九詐欺師である。

販売後のアクセス権の奪還 (Pull back)

売り手が取引完了後、メールアドレス変更時に元のメールアドレスに送信される Dispute Link からアカウントのアクセス権を取り戻す。

あるいは、購入の証明となる情報を用いて、サポート経由でアクセス権を取り戻す。

対策

Dispute Link を画面共有をした状態で必ず削除させるか、MM に削除してもらう。

購入時に売り手からOGE, TID, OG Info等の情報をもらう。 ただし、これらが虚偽の情報の場合は機能しない。

まとめ

このようなマーケット上での取引にトラブルはつきものだ。この記事の内容を踏まえて、読者の皆様が少しでもスムーズに取引できることを願う。